「経理はどの業界でもやることは同じでしょ?」
そう思って転職を考えている方は要注意です。
私はこれまでに商社と不動産業界、両方で経理を経験してきましたが、実際の業務内容や求められる知識は想像以上に違いました。
この記事では、転職を考えている方に向けて、商社経理と不動産経理のリアルな違いを具体的に解説します。
商社経理で感じたこと
商社経理の特徴は 「取引量の多さ」と「スピード感」 にあります。
• 日々膨大な伝票処理があり、集中力を切らさずに起票する力が必須。
• 消費税区分は比較的シンプルですが、意外な落とし穴も。たとえばゴルフ代の課税・非課税区分の判定で悩まされた経験があります。
• 為替差損益や海外子会社とのやり取りなど、国際取引に関わることも多く、英語力やグローバルな感覚が活きる場面もあります。
→ 商社経理は「大量処理を正確にこなせる」「スピード感がある」タイプに向いています。
不動産経理で感じたこと
不動産経理は、「税区分の複雑さ」と「正確性重視」が大きなポイントです。
• 仕入は非課税なのに、売上は課税になるなど、取引ごとに税区分を細かく確認する必要があります。
→ 振替伝票を起票する際も、税区分を誤ると修正に時間を取られるため注意が必要です。
• 新リース会計基準への対応など、法改正や会計基準変更への勉強が必須。
• 一件一件の金額が大きいため、「数をこなす」よりも「一つの取引を正確に処理する」姿勢が求められます。
→ 不動産経理は「細かい点まで確認できる」「税務や会計基準に強い」タイプに向いています。
商社と不動産経理の比較
観点 | 商社経理 | 不動産経理 |
---|---|---|
取引量 | 多い(大量処理) | 少ない |
金額 | 小〜大まで幅広い | 1件あたりが非常に大きい |
税区分 | 比較的シンプル | 複雑で注意が必要 |
求められる力 | スピード・集中力 | 正確性・税務知識 |
英語/海外対応 | 必要になることが多い | 国内中心が多い |
転職を考えている人が知っておくべきこと
実際に両方の業界を経験して強く感じたのは、業界が変われば必要な経理スキルがまったく違うということです。
- 商社経理 → 「スピード処理」「海外・為替」「大量取引に慣れる」
- 不動産経理 → 「税務知識」「法改正対応」「正確性と粘り強さ」
転職の際には、自分の強みやこれまでの経験がどちらにフィットするかを意識するのが大切です。
→ 例えば…
- 「英語が得意」「テンポよく仕事を回したい」 → 商社経理向き
- 「税務や会計基準を深く学びたい」「正確性を追求したい」 → 不動産経理向き
まとめ
- 経理は業界によって求められるスキルが全然違う
- 商社は「スピード重視」、不動産は「正確性重視」
- 特に不動産は税区分や法改正対応が難しく、知識を常にアップデートする必要がある
- 転職では「自分の強み × 業界特性」を照らし合わせることが成功の鍵
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